OwtellMARKETING PARTNERS
外注と内製

外注しないほうがよいケース|依頼を勧められたときに確認する5つの条件

筆者: 古田 宏典

「外注すべきか」を扱う記事は数多くあります。メリットとデメリットが並び、注意点が示され、最後に選び方が来る。丁寧に書かれているものも少なくありません。

ただ、結論はほぼ例外なく同じ場所に着地します。**「だから良い外注先を選びましょう」**です。

理由は単純で、書き手が外注先だからです。広告代理店、制作会社、支援会社。その立場から「今は依頼しないほうがいい」と書き切るのは、自社の受注を減らす行為になります。

この記事では、そもそも依頼しないほうがよい条件を、できるだけ具体的な数字で整理します。私たちも支援を提供している側なので、同じ制約は受けていますが、条件を明示しておいたほうが結果的にお互いの時間が無駄になりません。

1. 検索需要そのものが存在しない

もっとも根本的なケースです。広告運用を依頼しても、その市場で検索が起きていなければ母数に上限があります

新しいカテゴリの商品、認知されていない課題を解決するサービス、極端にニッチな法人向け商材。こうした場合、キーワードの検索ボリュームを調べると月に数十回、あるいは測定できないほど少ないことがあります。

このとき運用の巧拙は関係ありません。予算を積んでも、クリックできる回数自体が存在しないためです。必要なのは運用代行ではなく、需要を作る施策か、需要が既にある別チャネルの検討です。

判断は簡単で、狙うキーワードの検索ボリュームを事前に調べれば分かります。提案を受けた段階で「このキーワードは月に何回検索されていますか」と聞いてみてください。答えられない、あるいは数字を出さない場合は、その提案は需要の裏付けなしに作られています。

2. 予算が最低手数料の帯にある

Google広告・Yahoo!広告には媒体側の最低出稿金額がありません。月1万円でも配信できます。一方で、運用代行には最低手数料が設定されていることが多いというのが実務上の制約です。

手数料率20%・最低手数料5万円という条件で計算すると、こうなります。

月間広告費 運用代行費 実質的な負担率
月10万円 5万円(最低手数料) 約50%
月20万円 5万円(最低手数料) 約25%
月25万円 5万円(広告費の20%) 20%

**月20万円を下回る帯では、手数料が成果を食い潰します。**この規模なら、代行に出すより自社運用の立ち上げや、初期設計だけのスポット支援のほうが合理的です。

手数料の内訳と確認すべき項目はリスティング広告の手数料「20%」は何に対する20%かに、少額での立ち上げ手順は月10万円のリスティング広告は代理店に頼むべきかにまとめました。

3. コンバージョン件数が学習に足りない

見落とされやすいのがこれです。Google広告の自動入札には学習期間があり、Googleは「最長で 3 週間または 1〜2 回のコンバージョン サイクル」としたうえで、その長さを左右する要因の筆頭に獲得したコンバージョン数を挙げています(キャンペーンの学習期間の長さと、それに影響を与える要因)。

つまり学習が終わるかどうかは、日数ではなく件数で決まります。月に数件しかコンバージョンが出ないアカウントでは、何ヶ月経っても最適化が回りません。

この状態で運用者を替えても、結果は変わりません。必要なのは代理店の変更ではなく、コンバージョン地点の見直し(問い合わせだけでなく資料請求も計測するなど)や予算規模の再検討です。

期間の考え方は成果が出るまでどのくらいかかるかに、乗り換えを検討している場合の判断はリスティング広告代理店の乗り換えに整理しています。

4. サイトに流入がない状態での作り直し

制作側でも同じことが起きます。月に数百セッションしかないサイトを作り直しても、来訪者は増えません。

デザインを新しくしても、検索されていないキーワードで上位に出ても、流入は増えないためです。300万円かけて作り直しても、来る人が3倍になるわけではない。

この状態で必要なのは制作ではなく集客の設計です。逆に、流入があって問い合わせが少ないなら、作り直さずに改善で変わる可能性が高い。切り分けはホームページは作り直すべきか、改善で足りるかにまとめました。

なお、URLが変わる作り直しには順位が一時的に変動するコストも伴います。いま検索から問い合わせが来ているサイトほど、作り直しは慎重に判断する価値があります

5. 社内に受け皿がない

外注は「丸投げできる」わけではありません。方針の確認、素材の提供、判断の承認は発注側に残ります。

  • 週に1〜2時間、継続して時間を割ける人がいない
  • 誰が意思決定するかが決まっていない
  • 何を成果とするかが社内で合意されていない

これらが揃っていない状態で始めると、外注先は判断待ちで止まり、費用だけが発生します。担当者を決めるほうが先です。

内製化を検討する場合も同じで、担当者が1人しかいない前提で、その人が辞めたらどうするかまで決めておく必要があります。損益分岐の計算は広告運用の内製化は月いくらから割に合うかで扱いました。

「やらない」と言う会社かどうかを見る

以上を裏返すと、依頼先を見極める材料にもなります。

**予算規模や商材に対して施策が適さないとき、それを言う会社かどうか。**すべての相談に「できます」と答える会社は、自社に合わない施策も受注します。

見極め方はいくつかあります。

  • 検索ボリュームなど、需要の裏付けを数字で示すか
  • 最低手数料の存在と、その帯での実質負担率を聞かれる前に説明するか
  • コンバージョン件数が足りているかに言及するか
  • 「まず改善で足りるかもしれない」という選択肢を提示するか

代理店選びの基準は広告代理店は地元と全国区、どちらを選ぶかに、制作会社選びは名古屋のホームページ制作会社の選び方に整理しています。

私たちも断ることがあります

冒頭に書いたとおり、私たちも支援を提供している側です。同じ立場から書いている以上、この記事も完全に中立ではありません。

そのうえで実務としては、上記に当てはまる場合、運用代行ではなく自社運用の立ち上げ支援を提案したり、いまは着手しないほうがよいとお伝えすることがあります。受注を逃す提案ですが、成立しない条件で始めても成果が出ず、結局続かないためです。

まとめ

依頼しないほうがよいのは、次のいずれかに当てはまるときです。

  1. 検索需要が存在しない — 運用の巧拙以前に母数がない
  2. 月20万円を下回る広告費 — 最低手数料で実質負担率が跳ね上がる
  3. コンバージョン件数が学習に足りない — 運用者を替えても同じ壁に当たる
  4. 流入のないサイトの作り直し — 作り直しても来訪者は増えない
  5. 社内に受け皿がない — 判断待ちで止まり、費用だけが出る

いずれも、始める前に確認できることばかりです。そして確認せずに受注する会社かどうかは、その会社の姿勢をよく表します。


依頼すべきかどうかの判断からご相談いただけます。当てはまる場合はその旨をお伝えしますし、別の進め方をご提案することもあります。名古屋・愛知の広告代理店選びでは運用代行費の相場と支援範囲を公開しています。初回相談は無料です。お問い合わせはこちら

関連するコラム