「名古屋 ホームページ制作」で検索すると、制作会社が並びます。どこも実績が豊富で、どこも「成果にこだわる」と書いてある。この状態から1社を選ぶのは、実際にはかなり難しい作業です。
判断が難しくなる原因の多くは、制作会社側ではなく発注側の準備にあります。何をどこまで作るのかが決まっていないまま複数社に相談すると、各社が別々の前提で提案してくるため、金額に数倍の開きが出て比較できなくなります。
この記事では、費用の相場、契約で確認すべき項目、そして相談前に社内で決めておくことを整理します。
なお前提として、私たち(Owtell)は制作会社ではありません。自社に制作部門を持っておらず、サイトそのものを作ってお納めすることはしていません。関わっているのはその手前、何のために作るのかを決める部分と、条件に合う制作会社を一緒に選ぶ部分です。この記事も発注先を売り込むためではなく、比較の材料として書いています。
費用の幅が大きいのは、依頼範囲が違うから
まず相場から確認します。
| 規模 | 制作のみ(原稿あり) | ライティング込み | マーケ・SEO設計込み |
|---|---|---|---|
| 小規模(10ページ未満) | 30〜80万円 | 50〜100万円 | 100〜200万円 |
| 中規模(10〜30ページ) | 80〜150万円 | 100〜200万円 | 200〜400万円 |
| 大規模(30ページ以上) | 150万円〜 | 200万円〜 | 400万円〜 |
出典はバリューエージェント「ホームページ制作の費用相場と内訳」です。制作会社が公開している相場情報であり、公的な統計ではありません。
注目したいのは横方向の幅です。同じ「10ページのサイト」でも、原稿を自社で用意するのか、取材とライティングから任せるのか、集客設計まで含めるのかで3倍前後変わります。見積もりを比較できないときは、たいていこの範囲が揃っていません。
依頼先による差も同じ構造です。同規模でもフリーランスなら10万円以下の例がある一方、大手制作会社では数百万円規模になります。安いほうが損というわけではなく、誰が何をやらないかの差です。フリーランスに依頼して原稿も進行管理も自社で持つのか、まとめて任せるのか。ここを先に決めると、比較する相手が絞れます。
公開後の費用が抜けやすい
制作費だけで比較すると、後から逆転することがあります。
- サーバー・ドメイン・SSL: 月額数百円〜数千円
- 保守・管理費: 月額1万円〜5万円程度
- 集客・運用の費用: 月額数万円〜
3年で見れば、保守費だけで数十万円から百数十万円の差になります。初期費用が安い提案ほど、ここを確認する価値があります。
見積書と契約書で確認する5項目
トラブルの多くは、制作の品質ではなく契約条件から起きています。以下はWeb幹事「ホームページ制作のトラブル事例と4つの対策」で挙げられている事例をもとに整理したものです。提案を受けている段階なら、そのまま質問に使えます。
1. 著作権とドメインの所有権はどちらにあるか
制作会社に著作権が残る契約だと、解約時にデータを引き渡してもらえないことがあります。「著作権が弊社にあるので情報はお渡しできません」という対応は実際に起きています。
ドメインを制作会社名義で取得されていると、解約後に同じURLが使えません。積み上げたSEO評価も、名刺やパンフレットに刷ったURLも無駄になります。サーバーとドメインは自社で契約・所有しておくのが確実です。
2. 修正は何回まで含まれるか
修正回数は2〜3回までとされていることがほとんどです。デザイン確定後の構成変更や、コーディング開始後のレイアウト変更は「作り直し」として別途費用になります。何回までかだけでなく、どの工程まで戻れるのかを工程表と併せて確認してください。
3. 見積もりの外に何があるか
「ホームページ制作費 一式」とだけ書かれた見積書は、作業範囲の解釈がずれます。後から「原稿作成は別料金です」「サーバーの設定費用が追加で必要です」となりやすい。
原稿作成、写真撮影、サーバー設定、SSL化、スマホ対応、対応ブラウザの範囲。これらがどちら持ちかを、項目として書き出してもらうのが確実です。
4. 公開後の更新は誰がどうやるか
更新のたびに制作会社への依頼が必要な構成だと、手間と費用がかかって結局そのまま放置されがちです。実際、公開から数年更新されていないサイトの多くはこの状態です。
保守費に何が含まれるのか、テキスト修正1つに追加料金がかかるのかは、公開前ではなく発注前に確認しておく項目です。
5. 契約期間と解約条件
「初期費用無料」の代わりにリース契約や長期の自動更新が組まれていることがあります。中途解約ができず、満足していなくても最後まで支払う義務が残るケースです。
中途解約できるか、更新拒否の申し出はいつまでか、違約金はあるか。契約書で確認してください。
所有権の考え方は、広告アカウントと同じ
1番目の所有権は特に重要です。ドメインと著作権を制作会社に握られていると、乗り換えのたびに積み上げたものを失います。
これは広告アカウントを代理店名義で運用されている状態とまったく同じ構図です。代理店を替えるとアカウントの運用履歴(自動入札の学習を含む)を持ち出せず、ゼロから積み直しになる。詳しくはリスティング広告代理店の乗り換えにまとめました。
外注先が変わっても資産が自社に残るか。制作でも広告でも、確認すべきことは同じです。
相談する前に、社内で決めておくこと
ここが決まっていないまま複数社に相談すると、各社が別々の前提で提案してくるため比較できません。逆にここが揃っていれば、同じ土俵に並べられます。
- このサイトで増やしたいのは何か — 問い合わせ / 採用応募 / 資料請求 / 認知
- その数字がいま何件で、いくつになれば投資が回収できるか
- 誰に読ませるサイトか — 既存顧客 / 新規の検討層 / 求職者
- 公開後、誰が更新するのか — 社内に担当を置けるか
- 作り直しではなく、いまのサイトの改善で足りる可能性はないか
2番目は特に飛ばされがちです。300万円かけて問い合わせが月2件増えたとして、その2件がいくらの売上になるのか。ここが出ていないと、見積もりが高いのか安いのかを判断できません。
5番目を先に検討する価値
最後の項目には少し補足が要ります。
**作り直しは費用も期間もかかる一方、流入があるサイトなら訴求とフォームの見直しだけで問い合わせが変わることがあります。**実際、私たちが関わったBtoB SaaSのサイト改善では、広告費をかけずに問い合わせ数を2倍以上にしています。作り直してはいません。
判断の目安はアクセス数です。
- 月間セッションが少ない(数百以下) — サイトの出来より前に、そもそも人が来ていません。作り直しても結果は変わりにくく、集客の設計が先です
- セッションはあるが問い合わせが少ない — 訴求とフォームの改善で変わる可能性があります。まず改善を試す価値があります
- どちらも足りている — 事業や商材の側に理由があるかもしれません
「ホームページを作れば問い合わせが増える」とは限りません。検索されていないキーワードで上位に出ても流入はありませんし、流入があっても訴求が合っていなければ問い合わせにはなりません。作り直すべきかどうかから考えたほうが、結果的に安く済むことがあります。
この切り分けと、URLが変わるリニューアルで何を失うかはホームページは作り直すべきか、改善で足りるかで詳しく扱いました。
まとめ
制作会社を選ぶ作業の大半は、実は発注側が何を決めているかで決まります。
- 費用の幅は依頼範囲の差。範囲を揃えないと見積もりは比較できない
- 契約で見るのは品質ではなく条件。特に著作権とドメインの所有権
- 相談前に「何を増やしたいか」「いくらなら回収できるか」を出しておく
- 作り直す前に、いまのサイトの改善で足りないかを一度確認する
所在地や会社の規模は、ここが揃ってから絞り込む最後の条件で構いません。
作り直すべきか、いまのサイトの改善で足りるかの切り分けからご相談いただけます。制作会社の選定や見積もりの比較もお手伝いしています。名古屋・愛知の広告代理店選びではWEB広告側の費用相場も公開しています。初回相談は無料です。お問い合わせはこちら
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